「断熱工事したいけど予算が…」
「補助金ってどのくらいもらえる?」
このような悩みを抱えている方は決して少なくありません。実際に、断熱リフォームを検討している多くの住宅所有者が、工事費用の高さに頭を悩ませています。
2025年度は断熱工事への補助金制度が充実しており、条件を満たせば工事費用の大部分をカバーできるケースも珍しくありません。しかし、制度ごとに申請期限や対象条件が大きく異なるため、正しい知識なしに進めると「申請できなかった…」という事態になってしまいます。
私たちヤマト産業は、京都を中心に30年以上にわたって断熱リフォームを手がけており、数多くのお客様の補助金申請もサポートしてまいりました。この記事では、2025年度に利用できる4つの主要な補助金制度について、申請条件から注意点まで実務経験に基づいて詳しく解説いたします。
限られた予算の中で最大限の断熱効果を得たい方、補助金を賢く活用して理想の住環境を実現したい方のお役に立てれば幸いです!
も く じ
Toggle断熱リフォーム工事で使える4つの補助金

早速、断熱リフォーム工事で使える主要な補助金制度は以下の4つです。
【子育てグリーン住宅支援事業】
・補助額:上限60万円/戸 or 上限40万円/戸
・補助対象:床下、外壁、屋根、天井などの断熱改修
・交付申請期間:予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで)
【先進的窓リノベ2025事業】
・補助額:上限200万円/戸
・補助対象:内窓、外窓、ドア交換など開口部の断熱改修
・交付申請期間:予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで)
【既存住宅の断熱リフォーム支援事業】
・補助額:(戸建住宅)上限120万円/戸(集合住宅)上限15万円/戸
・補助対象:高性能建材による断熱材、窓、玄関ドアなどの断熱改修
・交付申請期間:年4回程度の公募を実施(詳細な期間は公式サイトで随時確認)
【長期優良住宅化リフォーム推進事業】
・補助額:上限160万円/戸 or 上限80万円/戸
・補助対象:住宅の性能向上工事(遮熱断熱サッシへの交換、高効率給湯器への交換、外皮の断熱工事、他)
・交付申請期間:【Ⅰ期】令和7年9月30日まで【Ⅱ期】令和7年12月22日まで
それぞれ補助額や対象工事、申請期間が異なるため、お住まいや工事内容に合った制度を見つけることが大切です。まずは各制度の詳細をチェックして、どの補助金があなたの断熱工事にぴったりか確認してみましょう。
子育てグリーン住宅支援事業

実施機関 | 国土交通省、環境省 |
予算 | 400億円 |
交付申請期間 | 予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで) |
公式サイト | 子育てグリーン住宅支援事業 |
※画像出典:公式サイト
子育てグリーン住宅支援事業は、省エネ効果の高い断熱工事を中心とした工事を選んで実施することで、最大60万円まで工事費用をサポートしてもらえます。登録事業者による施工が必須となっており、個人で直接申請することはできません。
補助金額
上限額 | 実施条件 | |
---|---|---|
Sタイプ | 60万円/戸 | 必須工事①~③のすべてのカテゴリーを実施 |
Aタイプ | 40万円/戸 | 必須工事①~③のうち、いずれか2つのカテゴリーを実施 |
断熱工事の規模や組み合わせによって補助金額が決まる仕組みとなっています。ただし、全体の工事費が少額すぎると対象外となってしまうため、5万円以上の補助額になるよう工事内容を調整することが重要です。
補助対象の工事
【必須工事(2つ以上の実施が必要)】
① 開口部の断熱改修(窓・ドア交換など)
② 躯体の断熱改修(外壁・屋根・天井・床など)
③ エコ住宅設備の設置(高効率給湯器など)
【任意工事(必須工事と併用時のみ対象)】
④ 子育て対応改修
➄ 防災性向上改修
⑥ バリアフリー改修
➆ 空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置
➇ リフォーム瑕疵保険等への加入
断熱工事の補助金を受けるには、必須工事から最低2つを選択して実施する必要があります。任意工事は必須工事と一緒に行う場合にのみ追加で補助対象となるため、単独では申請できません。
興味深いのは、他の補助金制度との連携です。たとえば、次の先進的窓リノベ事業で窓工事の補助を受けていれば①の必須工事をしたとみなされます。
注意点として、材料だけを購入して施主が手配する「施主支給」や、中古品を使った工事は補助対象外となるため、業者に一括で依頼する形での工事が前提となります。
※本記事の記載内容は概要のため、最新情報及び詳細な条件は公式サイトをご確認ください。
先進的窓リノベ2025事業

実施機関 | 環境省 |
予算 | 1,350億円 |
交付申請期間 | 予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日まで) |
公式サイト | 先進的窓リノベ2025事業 |
※画像出典:公式サイト
先進的窓リノベ2025事業は、窓・ドアの断熱リフォームに特化した補助金制度です。既存住宅の窓を高性能な断熱窓に交換する工事に対して、1戸あたり最大200万円まで工事費用を補助してもらえます。
この制度は住宅省エネ2025キャンペーンの中でも注目度が高く、窓の断熱性能向上により、光熱費削減や住環境の快適性向上が期待でき、投資対効果の高いリフォームとして人気です。
補助金額
最低申請金額 | 上限額 |
---|---|
5万円以上 | 200万円/戸 |
補助金額は、設置する窓やドアの性能グレード、サイズ、工事方法によって個別に決まります。高性能な製品ほど、また大きなサイズほど補助額が高くなる仕組みで、複数箇所を同時に工事することで補助総額を増やすことが可能です。
注意点として、申請には5万円以上の補助額が必要なため、小規模な工事では対象外となる場合があります。
補助対象の工事
【窓の改修工事】
- ガラス交換:既存窓のガラスのみを断熱性の高いガラスに交換
- 内窓設置:既存窓の内側に新たに窓を設置(二重窓化)
- 外窓交換(カバー工法):既存枠を残して新しい窓枠・ガラスに交換
- 外窓交換(はつり工法):既存枠を撤去して新しい窓に交換
【ドアの改修工事】
- ドア交換(カバー工法):既存枠を残して新しいドアに交換
- ドア交換(はつり工法):既存枠を撤去して新しいドアに交換
すべての工事において、事務局に登録された性能基準を満たす製品を使用することが必須です。ドア工事については、窓工事と同一契約で同時に行う場合のみ補助対象となるため、ドア単独での申請はできません。
また、個人で直接申請することはできず、必ず登録された業者を通じて申請する必要があります。業者選びの際は、事前に登録状況を確認することが重要です。
※本記事の記載内容は概要のため、最新情報及び詳細な条件は公式サイトをご確認ください。
既存住宅の断熱リフォーム支援事業

実施機関 | 環境省(執行団体:公益財団法人 北海道環境財団) |
公募期間 | 年4回程度を実施(詳細な期間は公式サイトで随時確認) |
予算管理 | 住宅区分ごとに予算上限があり、達し次第終了 |
公式サイト | 既存住宅の断熱リフォーム支援事業 |
※画像出典:公式サイト
既存住宅の断熱リフォーム支援事業は、環境省が主導する全国対象の補助金制度です。高性能な断熱建材を使用した省エネリフォームに対して、工事費用の一部を補助してもらえます。年間複数回の公募があり、計画的に工事時期を調整しやすいのもメリットです。
補助金額
上限額 | 補助率 | |
---|---|---|
戸建住宅 | 120万円/戸 | 補助対象経費の1/3以内 |
集合住宅 | 15万円/戸 | 補助対象経費の1/3以内 |
補助金額は「補助対象経費の1/3」で算定されますが、この「補助対象経費」は実際の工事費用とは異なります。断熱材や窓などの製品ごとに定められた基準単価をもとに算出され、実際の見積額と比較して低い方が採用されます。
玄関ドアについては、断熱材・窓・ガラスによる改修と同時に行う場合のみ補助対象となります。
補助対象の工事
【トータル断熱(家全体の断熱改修)】
- 断熱材:基準以上の省エネ効果が見込まれる高性能断熱材、他
- 窓・ガラス:熱貫流率等の性能基準を満たす製品、他
- 玄関ドア:熱貫流率4.7W/(㎡・K)以下の高断熱ドア、他
【居間だけ断熱(居間中心の窓断熱改修)】
- 窓・ガラス:居間等の主要居室に設置する高性能窓、他
この制度では「トータル断熱」と「居間だけ断熱」の2つのコースから選択でき、併用はできません。トータル断熱は断熱材・窓・ガラスを組み合わせた家全体の断熱工事で、居間だけ断熱は窓に特化した部分的な断熱工事です。
すべての製品について、事業に登録された性能基準を満たす製品のみが補助対象となるため、事前に対象製品の確認が必要です。くれぐれも予算に上限があるため、早めの申請が推奨されます。
※本記事の記載内容は概要のため、最新情報及び詳細な条件は公式サイトをご確認ください。
長期優良住宅化リフォーム推進事業

実施機関 | 国土交通省 |
公募期間 | 【Ⅰ期】2025年9月30日まで 【Ⅱ期】2025年12月22日まで |
公式サイト | 長期優良住宅化リフォーム推進事業 |
※画像出典:公式サイト
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、住宅の長寿命化と省エネ性能向上を総合的に支援する国土交通省の補助金制度です。断熱工事にとどまらず、住宅全体の性能向上を図るリフォームに対して幅広くサポートを受けられます。
この制度の特徴は、事前インスペクション(建物診断)が必須となっており、住宅の現状をしっかり把握してから計画的にリフォームを進める点です。工事後は維持保全計画の作成も求められるため、長期的な住宅管理を見据えた本格的なリフォーム制度といえます。
補助金額
事業タイプ | 上限額 |
---|---|
評価基準型・提案型 | 80万円/戸 |
認定長期優良住宅型 | 160万円/戸 |
※評価基準型・提案型:認定基準には満たないが一定の性能確保が見込まれる場合
※認定長期優良住宅型:長期優良住宅(増改築)認定を取得するための基準
【加算措置(上限50万円追加)】
加算条件 | 詳細 |
---|---|
三世代同居対応改修 | 三世代が同居するためのリフォーム工事 |
若者・子育て世帯 | 40歳未満または18歳未満の子がいる世帯 |
既存住宅購入改修 | 既存住宅を購入してリフォーム工事を実施 |
補助金額は工事内容とリフォーム後の住宅性能レベルによって決まります。より高い性能を目指すほど補助額が増える仕組みで、最高で210万円(160万円+50万円)まで受けることが可能です。
ただし、1申請あたりの補助金額が10万円以下(補助対象工事費等が30万円以下)の場合は補助対象外となるため、ある程度の工事規模が必要です。
補助対象の工事
【特定性能向上リフォーム工事(必須工事)】
① 劣化対策:床下防腐・防蟻処理、外壁通気構造化、ユニットバス交換など
② 耐震性:耐力壁増設、金物補強、屋根軽量化など
③ 省エネルギー対策:断熱材設置、遮熱断熱サッシ交換、高効率給湯器設置など
④ 維持管理・更新の容易性:給排水管更新、さや管ヘッダー方式への更新など
【その他性能向上リフォーム工事】
- インスペクション指摘箇所改修:外壁・屋根塗装、張替え工事、雨樋交換など
- バリアフリー改修:手すり設置、段差解消、スロープ設置など
- 環境負荷低減設備:高断熱浴槽、節水型トイレ設置など
- テレワーク環境整備:間仕切り設置、デスク造作、配線工事など
この制度では「特定性能向上リフォーム工事」の実施が必須となっており、住宅の基本性能を一定レベル以上に引き上げることが求められます。その他の工事については、特定性能向上工事と組み合わせて実施する場合に補助対象となります。
※本記事の記載内容は概要のため、最新情報及び詳細な条件は公式サイトをご確認ください。
以上、断熱リフォーム工事で使える主要な補助金制度を4つご紹介しました。
断熱リフォーム工事で補助金を使う際の注意点6つ

断熱工事の補助金制度はとても魅力的ですが、いくつか注意すべきポイントがあります。
ここでは、補助金を活用するために押さえておきたい6つの注意点を解説します。事前にこれらのポイントを理解して、スムーズな工事進行と補助金の獲得を目指しましょう。
補助金ごとに異なる期限に注意する
各補助金制度にはそれぞれ独自の申請期間が設定されています。先進的窓リノベ2025事業や子育てグリーン住宅支援事業は、いずれも予算上限に達するまで受付していますが、早期に予算消化される可能性もあります。
一方で、既存住宅の断熱リフォーム支援事業のように複数回の公募制を採用している制度もあります。年に複数回申請機会があるため便利ですが、各公募期間が決まっているため、希望する時期に合わせた計画が必要です。
どの制度を利用するかを決めたら、まず最初に申請期限を確認し、カレンダーなどに記録しておくことをおすすめします。
スケジュールに余裕をもって計画する
補助金の申請期限が近づくと、多くの方が駆け込みで申請を行うため事務局が混雑します。書類の不備があった場合の修正時間も考慮すると、期限ギリギリの申請は非常にリスクが高いといえるでしょう。
スケジュール管理については、申請期限や予算消化の可能性を考えて、十分な余裕をもって全ての書類を準備完了しておくべきです。断熱材や窓の製品選定、見積書の取得、必要書類の収集など、思った以上に時間がかかる作業が多いので要注意です。
また、事前の登録業者選びや工事日程の調整も含めると、さらに時間が必要になります。余裕をもったスケジュール設定が、補助金活用成功の鍵となります。
登録業者でないと申請できない制度がある
子育てグリーン住宅支援事業や先進的窓リノベ2025事業などの補助金では、事前に事務局に登録された業者でなければ申請できないルールになっています。いくら工事内容が優れていても、未登録の業者との契約では補助金を受け取ることができません。
業者選びの際は、まず各制度の公式サイトで登録業者検索を行い、希望する補助金に対応しているかを必ず確認しましょう。
補助対象にならない断熱工事もある
すべての断熱工事が補助金の対象になるわけではありません。制度ごとに対象となる工事内容や使用する製品に細かな条件が設定されており、条件を満たさない場合は補助を受けられません。
よくある対象外ケースとしては、以下のようなものがあります。
- 性能基準を満たさない断熱材や窓の使用
- 施主支給による材料調達
- 住宅以外の部分(店舗部分など)の工事
- 中古品を使用した工事
- 最低補助額に達しない小規模工事
工事契約前に、選定した製品が補助対象リストに掲載されているか、工事内容が制度の要件を満たしているかを入念にチェックすることが大切です。
複数の補助金の併用ルールを理解する
2025年度は複数の補助金制度を組み合わせて活用できるケースが増えていますが、併用には一定のルールがあります。同一の工事に対して重複して補助を受けることはできませんが、異なる工事であれば複数の活用できるケースが多いです。
併用を検討する場合は、必ず各制度の公式サイトで併用の可能性を確認し、わからない点はリフォーム業者や事務局に直接問い合わせることをおすすめします。
お住まいの自治体独自の補助金も確認する
国の補助金制度ばかりに目が向きがちですが、都道府県や市区町村が独自に実施している断熱リフォーム補助金も数多くあります。地域によっては国の制度と併用できる場合もあり、トータルでの補助額を大幅に増やせる場合もあるでしょう。
住まいの自治体ホームページやリフォーム関連の窓口で、利用可能な制度がないか必ず確認してみて下さい。
以上の6つのポイントを事前にしっかり把握しておけば、補助金を活用した断熱リフォームをスムーズに進められます。
制度の詳細は変更される場合もあるため、最新情報を各公式サイトで確認しながら計画を立ててみましょう。

まとめ:断熱工事の補助金で快適な住まいにしよう

断熱工事の補助金制度は、費用負担を大幅に軽減しながら快適な住まいを実現できる絶好のチャンスです。
重要なのは、各制度の特徴や申請期限をしっかり理解し、余裕をもったスケジュールで計画を進めることです。登録業者の選定から製品選び、書類準備まで、思った以上に時間がかかる工程が多いため、早めの準備を進めていきましょう。
もし今あなたが、
「どの補助金を選べばいいかわからない…」
「うちの家は本当に断熱工事が必要なの?」
など迷われているなら、まずは専門家による現状診断を受けてみることをおすすめします。
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