「断熱リフォーム、自分でできないかな?」
「DIYって流行りだけど初心者でもできる?」
こうした疑問を抱えている方は、決してあなただけではありません。光熱費の高騰が続く中、家の寒さや暑さに悩みながらも、「まずは自分でできることから!」と考える方が増えています。
実際、ホームセンターには断熱関連の商品が並び、インターネットでも「手軽にできる断熱リフォーム」といった情報が多く見つかります。でも「本当に効果はあるのか?」「安全に作業できるのか?」といった疑問も同時に湧いてきますよね。
私たちヤマト産業は、京都で30年以上にわたり住宅の断熱改善に携わってきた会社です。この記事では、その現場経験をもとに、DIYで挑戦できる断熱対策から、プロに任せるべき範囲までしっかりとお伝えします。
夏も冬も、一年中快適に過ごせる住まいを目指すために、実用的で安全な断熱対策の情報をお届けします!
も く じ
ToggleDIYの断熱リフォームは効果ある?

結論からお伝えすると、DIYでも断熱効果は期待できます。ただし、断熱材の施工や内窓の取り付けなどの本格的な作業は、初心者には危険が伴うのが現実といえます。
YouTubeやSNSの見よう見まねでチャレンジして、不適切な穴あけによる構造材の損傷や、防湿対策の不備による内部結露・カビ発生などの事例を数多く見てきました。一度失敗すると元に戻すのに多額の費用がかかり、結果的に「最初からプロに頼めば良かった…」という状況に陥りがちです。
DIY初心者に安全な範囲を知る
効果的なDIY断熱のコツは「失敗しても元に戻せる方法から始めること」です。断熱シートの貼り付けや隙間テープでの気密対策なら、万が一うまくいかなくても簡単に撤去できるので安心して取り組めます。
まずは手軽な対策で成功体験を積み重ねることが大切です。
素人が絶対に避けるべきDIYは?
壁を解体して断熱材を充填する作業や、床下での本格的な断熱工事は絶対に避けるべきです。なぜなら、建築構造の理解と施工技術が不可欠だからです。
DIYの失敗でよくある断熱材の施工不良では、断熱層に隙間や欠損が生じて熱橋(ヒートブリッジ)が発生、また防湿シートの施工不良では内部結露などを引き起こします。さらに電気配線や給排水管まわりの適切な断熱処理なども必要で、一歩間違えば家の内部に深刻なダメージを与える恐れがあります。
あとの修繕費用を考えると、結果的に高額になる場合も少なくありません。では、具体的にどの箇所でどの程度なら安全にDIYできるのかを見ていきましょう。
※熱橋(ヒートブリッジ)とは、断熱層に隙間や欠損がある部分、または柱や梁などの構造材が断熱層を貫通することで、局所的に熱が伝わりやすくなる部分のことです。
DIYで断熱ができる箇所と難易度

DIYで挑戦できる断熱箇所は意外と多く、特に熱の出入りが多い箇所を対策することで、室温の安定化と光熱費の削減が同時に狙えます。
ここでは実際の施工手順から必要な材料、気になる費用の目安まで解説していきます。まずは手軽にできる方法から始めて、徐々にステップアップしていくのがおすすめです。
※DIYで期待できる断熱効果には個人差があり、建物自体の断熱性能にも大きく左右されます。
①「窓」の断熱
窓は住宅の熱損失が集中しやすい箇所で、断熱の効果を最も実感しやすい場所といえます。特別な技術や大掛かりな工具も不要なため、DIYのリフォーム初心者の方にもぴったりでしょう。
隙間テープでの気密対策
難易度:★☆☆☆☆
コスパ:★★★★★
効果実感:★★★☆☆
見た目:★★★★☆
項目 | 内容 |
---|---|
必要な商品 | 隙間テープ |
工具 | はさみ、メジャー |
費用目安 | 500~1,500円/窓 |
所要時間 | 15分/窓 |
外気の侵入を防ぐ手軽な方法で、すぐに効果を実感しやすいDIY断熱です。窓の開閉に支障をきたさないよう、適切な厚みを選ぶことがポイントになります。
【参考:施工手順】
- 窓枠とサッシの隙間を確認する
- 隙間の幅に合った隙間テープを選ぶ
- テープを適切な長さにカットして貼り付ける
- 窓の開閉がスムーズかチェックする
断熱カーテンの取り付け
難易度:★☆☆☆☆
コスパ:★★★☆☆
効果実感:★★★★☆
見た目:★★★★★
項目 | 内容 |
---|---|
必要な商品 | 断熱カーテン |
工具 | なし |
費用目安 | 5,000~15,000円/窓 |
所要時間 | 10分/窓 |
通常のカーテンと交換するだけなので、最も簡単なDIY断熱といえます。遮光性と断熱性を兼ね備えた製品なら、夏は涼しく冬は暖かく過ごせるでしょう。
【参考:施工手順】
- 既存のカーテンレールを活用する
- 断熱性能の高いカーテンを選ぶ
- 床まで届く長さで設置する
- カーテンボックスがあれば上部の隙間も塞ぐ
断熱シートの貼り付け
難易度:★★☆☆☆
コスパ:★★★★☆
効果実感:★★★☆☆
見た目:★★★☆☆
項目 | 内容 |
---|---|
必要な商品 | 断熱シート |
工具 | カッター、定規 |
費用目安 | 1,000~3,000円/窓 |
所要時間 | 30分/窓 |
窓ガラスに直接貼るタイプと、窓枠に取り付けるタイプがあり、どちらも断熱効果が期待できます。梱包用のプチプチ(緩衝材)での代用も可能ですが、専用品の方が密着性と耐久性、見た目などに優れます。
【参考:施工手順】
- 窓ガラスの汚れをしっかり拭き取る
- 断熱シートを窓のサイズに合わせてカットする
- 空気が入らないよう丁寧に貼り付ける
- はみ出した部分をカッターで切り揃える
以上、窓のDIY断熱は手軽さと効果のバランスが良く、初めての断熱リフォームには最適な選択肢です。特に隙間テープは費用対効果が良く、すぐに始められるのが魅力的ですね。
②「床」の断熱
床からの冷気は体感温度に影響するため、足元の断熱対策は住み心地の向上に大きく繋がります。床下の本格的な断熱リフォームは専門技術が必要ですが、室内側からのアプローチなら安全にDIYできるでしょう。
カーペットやラグを敷く
難易度:★☆☆☆☆
コスパ:★★★☆☆
効果実感:★★★☆☆
見た目:★★★★☆
項目 | 内容 |
---|---|
必要な商品 | カーペット・ラグ、滑り止めマット |
工具 | なし |
費用目安 | 3,000~20,000円/部屋 |
所要時間 | 10分/部屋 |
最も手軽な床の断熱対策で、毛足の長いカーペットほど効果が期待できます。例えばウール素材なら、繊維の間に空気をたっぷり含む構造による断熱と調湿作用も期待できます。
【参考:施工手順】
- 床のサイズを測定してカーペットを選ぶ
- 滑り止めマットを床に敷く
- カーペットやラグを設置する
- 家具の配置を調整して完成
断熱マットを敷く
難易度:★★☆☆☆
コスパ:★★★★☆
効果実感:★★★☆☆
見た目:★★★☆☆
項目 | 内容 |
---|---|
必要な商品 | カーペット・ラグ、滑り止めマット |
工具 | なし |
費用目安 | 3,000~20,000円/部屋 |
所要時間 | 10分/部屋 |
フローリングの上に直接敷くタイプの断熱マットで、カーペットより薄手かつ歩行感に違和感が少ないのが特徴です。
【参考:施工手順】
- 床面の清掃とサイズ測定を行う
- 断熱マットを適切なサイズにカットする
- 滑り止めシートを下に敷く
- 断熱マットを設置して完成
以上、床の断熱は体感温度に直結するため、必ず対策したいところです。まずは手軽なカーペット敷きから始めることをおすすめします。足元が暖かくなるだけで、室内全体の快適性が向上するでしょう。
③「壁」の断熱
壁のDIY断熱は室温の安定化に効果的ですが、賃貸住宅の場合は原状回復の問題があるため、施工内容によっては大家さんや管理会社への相談が必要です。
断熱パネルの貼り付け
難易度:★★★☆☆
コスパ:★★☆☆☆
効果実感:★★★☆☆
見た目:★★☆☆☆
項目 | 内容 |
---|---|
必要な商品 | 断熱パネル |
工具 | カッター、水平器、メジャー |
費用目安 | 5,000~15,000円/壁面 |
所要時間 | 120~180分/壁面 |
発泡スチロール製やウレタン製などの断熱パネルを壁に貼り付ける方法です。特に外気温の影響を受けやすい北側の壁や隣接する建物がない壁に施工すると効果を実感しやすいでしょう。
【参考:施工手順】
- 壁面の汚れを清掃して乾燥させる
- パネルを壁のサイズに合わせてカットする
- 両面テープまたは接着剤で貼り付ける
- 継ぎ目を隙間テープで埋めて完成
断熱壁紙への張り替え
難易度:★★★★☆
コスパ:★★★☆☆
効果実感:★★☆☆☆
見た目:★★★★★
項目 | 内容 |
---|---|
必要な商品 | 断熱壁紙、壁紙用のり、プライマー |
工具 | ローラー、刷毛、カッター、スムーザー |
費用目安 | 8,000~25,000円/部屋 |
所要時間 | 300~600分/部屋 |
通常の壁紙張り替えと同程度の技術が必要で、DIY初心者には難易度が高い作業です。断熱効果は他の方法と比較すると限定的ですが、見た目を損なわずに断熱性能を向上させることが期待できます。
【参考:施工手順】
- 既存の壁紙を丁寧に剥がす
- 下地処理とプライマー塗布を行う
- 断熱壁紙を適切なサイズにカットする
- のりを塗布して気泡が入らないよう貼り付ける
以上、壁のDIY断熱をご紹介しましたが、初心者にはやはり技術的な難易度が高いです。
費用対効果を考えると、窓の断熱を最優先とし、次に体感温度に直結する床の断熱、そして余裕があれば壁の断熱に取り組むのが現実的といえるでしょう。
DIYの限界…断熱リフォームはプロ一択

これまでDIYでできる断熱リフォーム(対策)をご紹介してきましたが、正直にお伝えすると、本格的な効果を求めるなら、やはり「プロによる施工」が現実的です。
初心者でできるDIYの多くは「応急処置」的な役割に留まり、根本的な問題解決には至らないケースがほとんどです。正しい材料選びや施工のコツがわからず、期待したほどの効果が得られないケースも少なくありません。
費用を節約したい気持ちは理解できますが、中途半端な対策で時間とお金を無駄にするより、最初からプロに任せた方が結果的に満足度も高くなると考えます。
[比較表]DIYとプロの断熱リフォーム
一見するとDIYの方が安上がりに思えますが、長期的な視点で考えると、実はプロの断熱リフォームの方がお得になる場合も多いです。以下の比較表をご覧ください。
項目 | DIY | プロ |
---|---|---|
初期費用 | ◎ 安い | △ 高い |
効果の持続 | △ 短期間 | ◎ 長期間 |
光熱費節約 | △ 一部改善 | ◎ 効果的 |
快適性向上 | △ 部分的 | ◎ 全体的 |
住宅価値向上 | △ 見込めない | ○ 見込める |
保証・アフター | × なし | ◎ あり |
ここで重要なのは、断熱リフォームでは補助金制度が使える点です。条件を満たせば工事費用の一部が補助されるため、実質的な負担を大きく軽減できます。この機会に、あなたも活用してみてはいかがでしょうか。
DIYでは叶わない断熱をあなたの家に
DIYでの断熱リフォームは手軽に実践できますが、やはり効果の範囲が限定的で「部分的な改善」に留まってしまいます。一方、プロなら住宅ごとの特徴を総合的に判断し、最も効率的な断熱リフォームを提案できるため、高い効果を期待できるのが大きなメリットです。
断熱性能を本気で改善したいなら、DIYは「つなぎ」程度に考えて、できるだけ早い段階でプロに相談することをおすすめします。長期にわたって快適な住環境が一度の工事で手に入るのは、やはり専門技術ならではの価値といえるでしょう。


まとめ:理想的な断熱で快適な暮らしを

DIYの断熱リフォームでも一定の効果は期待でき、窓の隙間テープなら数百円から始められ、断熱マットなら敷くだけでも冷えの改善が見込めるでしょう。「まずは手軽なところから」という発想はとても理にかなっています。
しかし、特に築年数が経った住宅で本格的な暑さ・寒さ対策をするなら、やはりDIYだけでは限界があります。家全体の断熱性能そのものが低いと根本的な解決には至りません。
実際にDIYに取り組んだ方からは、
「これだけじゃ物足りないかも…」
「少しマシだけどまだ我慢してる…」
「一年中もっと快適にできたらな…」
こんな声をよく聞きます。あなたが同じような結果にならないためにも、現在のお住まいの断熱性能がどの程度なのか、DIYをする前に専門家による診断を受けてみることをおすすめします。
私たちヤマト産業では、京都・関西エリアにおいて住宅の断熱状況を無料で詳しく調査し、最適なリフォームプランをご提案しています。これからDIYに挑戦される箇所も含めて総合的に判断し、より効果的なアドバイスをすることができます。
「DIYとプロの使い分けを知りたい」「どこから手をつければいいのか」そんな疑問にもお答えできるため、まずはお気軽にご相談ください。あなたとご家族が一年中快適に暮らせる住環境づくりを、一緒に進めていきましょう!